2025年の幕開けに際して、アート購入を検討する初心者にとって、このタイミングは実に恵まれていると言える。
2024年を振り返り、アート市場の現状と将来のトレンドを考えることで、アート購入が自己投資としても価値を持つことをお伝えしたい。
2022年にピークを迎えた日本のアート市場は、その後縮小傾向にある。特に2024年は、物価高や生活費の上昇により、アートに割ける予算が限られる消費者が増え、価格が大きく上昇することが確実な作品以外には手を出しづらい状況が続いていた。
これにより、市場は安定性を欠き、新しい挑戦がしづらい雰囲気が広がっている。
しかし、このような状況は、視点を変えれば大きなチャンスでもある。
過去のプチバブル期には、価格が高くても売れるという現象が見られたが、現在は価格が底値に近づいていると考えられる。
この時期に購入することで、将来的な価値上昇を期待できる。
アート購入を資産形成の一環と考えるならば、今こそが仕込み時である。
初心者にとっては、この市場の静けさがむしろ絶好のスタートラインとなる。
2024年の市場動向をさらに深掘りすると、アート購入層の年齢が少しずつ下がりつつあることがわかる。
若い世代がアートに興味を持ち始めている一方で、日本特有の高齢者優遇社会では、若年層が資金的な余裕を持つことは依然として難しい。
それでも、オンライン市場の成長や情報の透明性が向上しているため、若い世代でも少額から始められる環境が整いつつある。
また、グローバル市場の動向を見ると、オーソドックスなペインティングへの回帰が見られる。
難解なコンセプチュアルアートが一部のコレクター層に飽きられつつあり、具象や抽象のペインティングが再び注目されているのだ。
日本ではまだその影響が限定的だが、海外のトレンドが時間をかけて日本に波及する可能性を考えると、今のうちにその兆候を捉えることが重要である。
アートの選択肢を広げる上で、東京藝術大学などの学生が制作する作品を観察することも有益である。
学生作品は、価格が手ごろでありながら、未来のスターアーティストの原石を見つける楽しみがある。
彼らの作品には、時代の空気や新しい感性が反映されており、これからのアート市場を予測するヒントが隠されている。
オンライン市場の成長も無視できない要素である。近年、オンラインギャラリーやプラットフォームが増加し、若手アーティストの作品が容易に手に入るようになった。
オンラインでの情報収集と、実際の展示会で作品を見るという二段階の購買行動が一般化している。
不動産の購入と同様に、オンラインでの事前リサーチと現地視察を組み合わせることで、高額なアート作品も安心して購入できる時代が到来している。
では、2025年に注目すべきアートとは何か。
具体的には、長期的な価値を見込めるアートを選ぶことが重要である。人気が高まると予想されるアーティストやジャンルに注目しつつも、美術史の新しい一面を切り開く可能性を秘めた作品を見極めることが肝心だ。
例えば、地域の文化や伝統を反映したローカルアートや、テクノロジーとの融合を試みたデジタルアートなどが挙げられる。
これらの作品は、グローバル市場での競争力を持ちながらも、ローカルな魅力を兼ね備えているため、投資価値が高い。
最後に、新年の抱負としてアート購入を考えている初心者にとって、2025年は間違いなく好機である。
競争が少なくなっている今、掘り出し物が市場に出回る可能性が高い。
この機会を逃さず、多くの作品を見て自分の好みを把握しながら、慎重かつ大胆に一歩を踏み出してほしい。アート購入は、単なる消費ではなく、未来への投資であり、自分自身を豊かにする体験でもある。
2025年、購入を検討するアートは何か。この問題に対しては、コレクターが上昇価値を読むことも大事であるが、自分のセンスとライフスタイルにあった作品を見つけることも同様に重要である。
アートは、絶えず変化する時代を映し出す鏡のような存在である。この鏡のなかに自分を見出せるとき、アート購入は単なる投資の域を超え、人生の一部となるのだ。
最後に、タグボートのようなプラットフォームは、新しいコレクターに具体的な示唆を与え、より良いコレクションのサポートを強化していくことが期待される。
また、将来的に成長著しいアーティストに絞り込み、プロデュース力を発揮することで、アート市場全体の活性化にも寄与するだろう。
これらの取り組みは、新しい時代のアート市場を形作る重要な役割を果たすと確信している。
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